2019年08月

2019年08月14日

2019年上半期のBest Act

kinoshita

 
 【作品部門】
1.木ノ下歌舞伎
『糸井版 摂州合邦辻』
2.匿名劇壇
『大暴力』
3.ユリイカ百貨店
『1.block.planet/DRESS!』
 
FUKAIPRODUCE羽衣」の糸井幸之介を脚本・演出・音楽に迎え、古典の名作を現代的な音楽劇に変換した「木ノ下歌舞伎」が初のベスト1を獲得。「古典戯曲をリスペクトしつつ壊す、そのバランスが毎回絶妙。老若男女あらゆるキャラのリアルな心象を見事に歌にしてみせた上、謎多き玉手御前のキャラに納得の解釈を与えることができた今回の作品は、クオリティが頭一つ抜けている」と絶賛の評が集まった。超短編の話を立て続けに見せる「フラッシュ・フィクション」の手法を使って、劇団のドロドロした内情を描いた2位の匿名劇壇には「“きまり悪さ”をエンタメにしつつ、マンネリにならないのが彼らの魅力。言いたいことや面白いことを短時間でズバッと切る、フラッシュ・フィクションとの相性も良かった」との声が。宇宙飛行士の娘たちの、世界どころか宇宙を股にかけた逃避行を描いたユリイカ百貨店は「小さなアトリエの公演とは思えないスケールの物語で、本当に宇宙に連れてってもらったような気分。最後は泣くとは思ってなかった」とのコメントが寄せられた。
 
これ以外にも、ベスト3には入らなかったけど高く評価された主な作品は(ユニット名50音順に表記)、オフィスコットーネプロデュース 改訂版『埒もなく汚れなく』、T-works『THE Negotiation』、MONO『はなにら』など。
 

【役者部門】
1.前田晃男スラステ『La Fierté』
2.福田転球(『
2Cheat4) 
3.伊勢村圭太(THE ROB CARLTON『STING OPERATION』
3.山下残夕暮れ社 弱男ユニット『サンクコストは墓場に立つ』)
※同順位の役者は50音順で表記

ハイファッション雑誌の撮影現場を舞台にしたコメディで、カメラマンを演じた前田晃男が、同舞台を観た観客からの絶大な支持を集めて一位を獲得。「かっこ悪いけどカッコいい、巻き込まれ型のキャラクターが本当によく似合う俳優。無理を押し付けられても結局すべてを引き受けるカメラマンは、その象徴みたいな役だった」との評が。2位は山内圭哉と組んだオムニバスコント公演で、久々に大暴れぶりを見せつけた福田転球。「あの山内さんが笑いながら黙って観てるしかなくなるというのが、その凄さを表してる。一人ミュージカルのシーンが特に最高だった」という意見が出ていた。3位は同率で、収賄のおとり捜査のターゲットとなる政治家を演じた伊勢村圭太と、ひたすらバイトたちに運ばれる死体役を演じた山下残が選ばれた。伊勢村には「茶番に突き合わされつつも、ひたすら紳士的に対応する姿に感服。政治家はこうあってほしいとまで思った」、山下には「呼吸すら感じさせない、リアルな死体ぶりに圧倒された。彼の存在なくしてあの舞台は成立しなかった」という声が寄せられた。
 
ベスト3には入らなかったけど、高く評価された主な役者は(50音順に表記)、延命聡子中野劇団『10分間2019~タイムリープが止まらない~』)、三上市朗T-works『THE Negotiation』)、宮崎秋人(『COCOON』)など。


nakano

【再演部門】  
中野劇団
『10分間2019~タイムリープが止まらない~』 

居酒屋で、わずか10分間の時間を延々と繰り返す羽目になった女性の奮闘を描き、3年ぶりの再演となった中野劇団の代表作が、ぶっちぎりとも言える支持率の高さで選ばれた。「もはや関西小劇場の古典。以前は単に笑える作品だったけど、今回はちょっとホラーテイストが入っていたのが新鮮だった」と、演出・演技面で新たな解釈を加えた所に好評の声が上がっていた。

他に名前が上がった作品は、THE ROB CARLTON『STING OPERATION』、ばぶれるりぐる『ほたえるひとら』など。


※文中敬称略


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